サステナビリティ

環境環境への取り組み紹介

ダイカスト油剤の少量塗布技術による
省資源と生産効率化

ダイカスト製造工程では、金型から製品を取り外しやすくするため、離型剤を塗布します。一般的に離型剤は数十倍から百数倍に希釈して使用されますが、MORESCOでは希釈することなくそのまま塗布する水溶性少量塗布型離型剤を開発、製品化しました。塗布量は従来品の約1/100で済み、ダイカストマシンから垂れ落ちる廃液はほぼゼロ。塗布の際に生じる飛沫を抑えられ、作業環境改善にもつながっています。また、金型昇温のために行われていた「捨て打ち」の回数を約30%削減できます。金型の熱疲労を抑え、金型寿命が約2倍に延びた例も。生産の効率化、設備の長寿命化などトータル改善に貢献します。

少量塗布技術により油煙も発生せず
ベタつきや汚れなどの工場環境を改善

大気汚染やシックハウス症候群を防ぐ、
ホットメルトの技術

接着剤や壁紙、塗料などに含まれるVOC(VolatileOrganic Compounds=揮発性有機化合物)は、光化学スモッグや大気汚染の原因物質のひとつであり、屋内や車内ではシックハウス症候群を引き起こす危険があります。有機溶剤を使用しないホットメルトは、環境にやさしい接着剤です。
現在では、有機溶剤を使用しないホットメルトに含まれる、材料合成時の残存溶剤(0.1%未満)さえも除去する技術を追求するとともに、接着剤特有の臭気を除去する技術の開発に注力しています。環境汚染や健康被害を防ぐのはもちろん、人にとって快適な空間を創造することも、重要な環境貢献と考えています。

有機薄膜太陽電池(OPV)の設置

2018年3月、かねてより研究開発を行ってきた有機薄膜太陽電池(OPV)が「南三陸さんさん商店街」に設置されました。ナノテクノロジーでつくるOPVは、シースルーで高いデザイン性や、製造から廃棄まで一貫してエコであること、また、超薄・軽量なフィルムタイプであることなど、これまでのシリコン太陽光電池とは全く異なる次世代太陽電池。電子ペーパーやセンサーの電源の他、建築物の窓やビニールハウスに設置するなど、様々な用途が期待できます。今後は、OPVをより多くの用途に拡大し、さらなる社会貢献に取り組んでいきます。

ホットメルト接着剤のエクセルコート化

高分子材料と潤滑油などからなるホットメルトは、粘着性があるため特殊な包装紙を必要とします。従前は特殊な包装紙でできた使い捨ての容器に入れて販売していましたが、ホットメルト接着剤の表面を特殊な材料でコーティングするエクセルコートを開発。ピロー(枕)型で、熱を加えると溶けてホットメルトの一部として利用できるので、作業性の改善と、廃棄物ゼロに貢献しています。

水-グリコール系作動液のリサイクル

水-グリコール系作動液はきわめて安全性の高い難燃性作動液ですが、時間の経過とともに性能が劣化します。従来、劣化した水-グリコール系作動液は産廃処理を行う必要があり、焼却処分による環境負荷が問題になっていました。作動液中の20%を占める劣化した添加剤だけを抽出して、残りのきれいな水-グリコール成分をリサイクルする技術を開発。これによって廃棄物を大幅に減らし、環境への負荷軽減を実現、社会貢献に取り組んでいます。